PER(株価収益率)とは|計算式と適正水準
PERはファンダメンタルでも代表的な指標となりますので、ぜひ一読して下さい。
PERとは「株価を利益で割って算出した数値」のことで、企業の利益水準から今の株価が適正水準かどうか判断する指標になります。
price earnings ratioの頭文字をとっており、訳すと株価収益率と言います。
計算式で表現すると以下になります。
PER=株価/1株あたり利益
ここでいう利益は、営業利益や当期純利益などが使われ、どれを使わなければいけないといった決まりはありません。
また、1株あたりの利益にしている理由ですが、株価というのは1株の価格を示しているものなので、利益もそれに対応させています。
さて、計算式を見て戴くと分かると思いますが、この式は利益と株価を比較しています。
つまり、企業の収益性の観点から株価水準を評価しているということです。
株関連のニュースとか見ている方なら、「今の株価には割安感がある」なんて言葉を目にしたことがあると思います。
株価が割安ということは、買いのタイミングであることはなんとなく分かるかもしれません。
でも、それって・・どうやって判断するんでしょうか?
一般的には、PERの場合は、20倍を下回ると割安だと言われており、10倍から20倍のレンジ大手企業の適正水準と言えます。
株価が1,000円なら、1株あたりの利益が50円というPER20倍の水準です。PERを用いた分析では、この20倍が目安になってきます。
ただ、世の中には10倍を下回る銘柄も多くあるので、同業種や同規模のPERやその銘柄の過去のPERより割安かどうかを判断目安にしていく方が良いです。
市場別のPER平均
同規模の会社を指標とする上で、一番手っ取り早いのが市場別の平均値を使うことです。
下記の表で市場別の平均値をまとめたので、参考にして下さい。
|
2015年1月 |
2016年1月 |
2017年1月 |
東証一部 |
18.7 |
17.2 |
19.7 |
東証二部 |
16.8 |
13.8 |
17.4 |
マザーズ |
95.7 |
57.0 |
79.9 |
東証二部も入れましたが、大きくは東証一部の安定企業とマザーズの成長企業で分けることができます。
成長企業に対しては、将来の収益まで見越して投資しているので、PERが高くなる傾向にあります。
一方で安定企業は、将来のポテンシャルよりも今の収益を重視する傾向にあります。
業種別のPER平均
さらに細かく分析する場合は、同業種のPERを使います。
先ほど見た通りで市場によってPERが大きく変わるため、業種別かつ市場別でみていく必要があります。
東証一部の中でも、非鉄金属はPER47.3に対して、銀行業はPER10.3と違います。
ここだけ見ても、業種別でみる必要性が分かります。
次はマザーズ市場の業種別を見てみましょう。
年度によって同業種でも平均PERが大きく変わっていることが特徴的です。
マザーズ市場に上場している銘柄の平均値は変わりやすいため、特定銘柄が属する業種の平均PERを確認する作業はまめにやっていく必要があります。
PERは低ければ良いというわけでは無い
いきなりタイトルと食い違ったことを言いますが、PERは低ければ良いです。
ただし、PER3倍とか4倍とか低すぎる数字の場合は、少し疑いの目を持つようにして下さい。
上述したように適正水準は10倍から20倍程度、市場平均を見ても、PERが3倍なんて言うとおかしいわけです。こういった場合は、事業売却して特別利益が出た等、その時だけの一過性の可能性が高いので、財務諸表をしっかり確認した方が良いです。
一過性の場合、多くは次年度にPERが急上昇して、実は割高な水準だったなんてこともしばしばあります。
また、PERがマイナスになると、そもそも利益が出ていない赤字ということになります。PERがマイナスになると、むしろ最悪ということを覚えておいて下さい。
ということで、PER低ければ良いというわけでは無いことが理解戴けたでしょうか。
PERの感じはつかめてきたでしょうか。PERは非常によく使われる指標なので押さえておいて下さい。
お疲れ様でした!
以上で、PERの話は以上です。
もっとファンダメンタル分析を知りたい方はこちらをご覧下さい。